環境みどり特集No.32 『山菜狩りの注意点について』(R01.05.23)
詳細
山菜狩り(採取時)の注意点について
山菜シーズンに当たり、毒草の誤食による中毒死事故防止の為、2015年に掲載した記事です。
山に行かれる方は参考にして下さい。
※写真(左)は毒を持つ「ハシリドコロ」
◆山菜採取にあたり注意事項
1.山菜採取地の多くは地元住民により入会権が確立されていますので入山に際しては充分注意して下さい。(地元の親類縁者や知人の方の同行が有れば、トラブルは少ない。)
又、採取地が国立公園や国定公園で採取した場合は自然公園法で罰せられます。
2. 山菜狩り(採取)にはその道に詳しい人と同行するようにして下さい!何事も素人判断は非常に危険です!(素人判断は危険です、毒の有る誤採取・誤食の防止)
3.自分で判断してはっきり食べられると解かる、山菜のみ採取する。
4.山菜採りのルールを守ろう!
(掘った穴は元の様に土を掛け埋め戻す、ねこそぎ採取はやめ、必ず1本の芽は残すこと)
以下、【食べられる山菜】と、食べられない【類似毒草(木)】の見分け方(採取時の注意点)をご覧ください。 ※赤文字⇒食べられない山菜(毒)
食≪ニリンソウ≫
春を迎えた頃、白い2輪の花を咲かせる、主に葉を食す。
ニリンソウを採取する場合は、花が咲いているかを確認して、花の有る株から茎と葉を採取する。
毒≪トリカブト≫
トリカブトは葉の切り込みが深いが素人目では判断が出来ない。
葉の特徴はニリンソウの厚く、光沢が有る。
◆見分け方≪採取時注意≫
【ニリンソウ】と【トリカブト】は同じ場所に混生(生息)しており、非常に似ていますので気をつけて下さい。
◆【毒=トリカブト誤食症状】
トリカブトの根は猛毒で即効性、中枢神経に素早く作用し、呼吸困難から窒息、ケイレンして短時間で死にいたります。
植物界最強毒性と云える。
食≪ギボシ(ウルイ)≫
ギボシ類中で山菜と云われるのはオオバギボシで東北地方では、ウルイと呼ばれている。
日当たりの良い湿地に生える。
毒≪バイケイソウ≫
バイケイソウは新芽の時期がギボシに酷似して見間違える。
◆見分け方≪採取時注意≫
【食=ギボシ】の葉の形状は広がっていて先が尖っている。
◆【毒=バイケイソウ誤食症状】
全草にアルカロイドを含み、中毒になると嘔吐、下痢症状なる。
※食べた量により、死ぬ場合もある。
食≪コシアブラ≫
コシアブラはウコギ科若葉に長さが10Cm程度の茎や、葉の裏側にウブ毛が有る。
出たての新芽は袴から折り採取。
毒≪ニワトコ≫
ニワトコは人により成るとの事、本により異なる記載が有る。
◆見分け方≪採取時注意≫
【食=コシアブラ】
コシアブラとニハトコとは、葉の色や構成で見分ける。
◆【毒=ニワトコ誤食症状】
食後10数時間後(人により異なる)、吐き気、下痢となる。
接骨木と書き、打ち身、捻挫、骨折の外用薬に使用。
食≪フキノトウ≫
フキノトウは雪解けと共に出てくる。
中央にボッチと呼ばれる花が有り、一種独特な匂いが有り、匂いで判別する
毒≪ハシリトコロ≫
ハシリドコロは春先の芽吹きの頃の葉の色は黄緑色。
大きくなると間違える事は無い、新芽の頃間違え易い。
◆見分け方≪採取時注意≫
【食=フキノトウ】
形状が全く異なる、フキノトウには匂いが有る。
◆【毒=ハシリトコロ誤食症状】
副交感神経を麻痺させる興奮状態になり泣き喚きハシリ回る、
根茎は薬用に使用される。又、ゴマナの新芽と間違易い。
食≪タラの木≫
タラの芽(タラッポ)ウコギ科の落葉木で幹にトゲが有る、(園芸種=トゲ無し)新芽を7~15cmで折採る。
毒≪ヤマウルシ≫
ヤマウルシは落葉小高木で高さ5~8mになり、雌雄異株で、5~6月頃に黄緑色の小さな花を円錐状に集め咲く。
◆見分け方≪採取時注意≫
【食=タラの芽】
新芽は酷似しているので木の幹にトゲが有るものを採取。
◆【毒=ヤマウルシ誤食症状】
ウルシオールと云う有毒成分が含まれ皮膚に触れると個人差は有るが炎症(カブレ)をおこす。
※木の下を通っただけで炎症(カブレ)をおこす人もいます。
食≪セリ≫
セリは田んぼや小川のふちに生息し、柔らかそうな新芽を摘む。
◆以下、一般的に知られ、市販されている「山菜」
毒≪ドクゼリ≫
ドクゼリは沼や池の少し深い所に生息するが、田んぼにも植生す
る。水湿地に生え、草丈は1m近くになる。
◆見分け方≪採取時注意≫
ドクゼリの根茎を割ると竹の子のように節がある。
◆【毒=ドクゼリ誤食症状】
中毒症状は、嘔吐、胃痛、精神錯乱から全身麻痺死にいたる。
※食べられるニラ(野菜)と毒の有る水仙(草花)の誤食例もあり、食べて亡くなった方も居ます。
食用≪ギョウジャニンニク≫
食用≪ワラビ≫
食用≪ハリギリ≫
食用≪コゴミ≫
食用≪イラクサ(アイコ)≫
食用≪ミズ(ウワバミソウ)≫
食用≪ヤマウド≫
◆毒の山菜を誤食した場合の処置について
食用≪ゼンマイ(乾燥品)≫
① 毒草と云われる植物に於いては熱加工や乾燥によっても毒成分は分解しない。
② 山菜を食べた後に激しい腹痛や下痢、胃痛、嘔吐等の症状が出た時はすみやかに然るべき医療機にて診察を受けること。
③ 応急処置としては食べた食物を吐かせる事、(※PE袋のなかに吐かせ医療機関に渡す。)
④ 吐かせるためには「牛乳」「緑茶」「木炭の粉末を入れた水」「多量の水」等多く与え胃の中の物を吐かせる。(胃を守る、毒性を薄め、毒の中和に効果有り)
⑤ 山菜の料理前の分別、洗浄の祭に確認を行って下さい。(ゴミや毒草の混入防止の為)
⑥ 上の表以外の毒草(木)にはアセビ(馬酔木)エゴノキ、オキナグサ、福寿草、キンポウゲ類、シキミ、ヒガンバナ、クサノオウ、クロウメモドキ、タケニグサ、トウダイグサ(ノウルシ)、ソテツ等、又、ナンテンやオニバシリ等の実に毒成分が含まれる。
ヤマゴボウ(おみやげとして市販されているヤマゴボウは栽培したオニアザミの根です)、・・・身近ではジャガイモの芽の部分も有毒です。
これらの植物の中には薬品の成分として利用されているものも有ります。
⑦ 食べられる山菜(木)の中にはトゲのある物に注意。
そのトゲに皮膚の炎症や化膿を起こす起因となる「毒」成分が含まれる植物の中に「タラの木」「イラクサ」などあります。
(皮膚の炎症や化膿の発生は人により異なります。)
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【文責】
戸田市山岳連盟 岩崎繁夫】
※写真及び山菜の説明文は山渓フィールドブックス 木原浩氏著書「山菜」及び永岡書店 後藤雄佐氏・星川清親氏共著「山菜取りの楽しみ」から引用いたしました。
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【編集/掲載】
TOMATOホームページ事務局 (2015/04/27)
再掲載(2019/05/23)
この情報は、「戸田市ボランティア・市民活動支援センター」により登録されました。