文化趣味特集No.23 ≪戸田の伝説「いま・むかし」≫(R04.03.28)
公開日:2022年03月28日 最終更新日:2022年11月30日
登録元:「戸田市ボランティア・市民活動支援センター」
新曽の観音寺は、山号・院号を龍鳳山愛染院と称する真言宗のお寺で、戸田市の指定文化財として「観音寺千体仏」「建長5年(1253)の板碑」「文禄4年(1595)の石灯籠」「文正の板碑」がありますが、ここでは「戸田の伝説」(昭和50年、戸田市秘書課)に載っている「びくに田」を紹介しましょう。
戸田の伝説 「いま・むかし」
新曽の観音寺は、山号・院号を龍鳳山愛染院と称する真言宗のお寺で、戸田市の指定文化財として「観音寺千体仏」「建長5年(1253)の板碑」「文禄4年(1595)の石灯籠」「文正の板碑」がありますが、ここでは「戸田の伝説」(昭和50年、戸田市秘書課)に載っている「びくに田」を紹介しましょう。
むかし、新曽村の福寿院という真言宗の小さなお寺に、自芳尼さんという心の優しい尼(女のお坊さん)が住んでいて、いつも熱心に仏様に仕え、村の家々をよく回っていたので、村人たちからも慕われていました。それで、村人たちが相談して田んぼを愛染院に一枚寄進しました。自芳尼さんはその田んぼを大切にしていたのですが、悪い人に大事な田んぼをだまし取られてしまいました。
自芳尼さんはそれを悲しんで亡くなってしまったのですが、同情した村人たちは生前の自芳尼さんによく似た石の弁天様を作って、本寺の観音寺に建て、ねんごろに供養してあげました。
新曽の観音寺は、山号・院号を龍鳳山愛染院と称する真言宗のお寺で、戸田市の指定文化財として「観音寺千体仏」「建長5年(1253)の板碑」「文禄4年(1595)の石灯籠」「文正の板碑」がありますが、ここでは「戸田の伝説」(昭和50年、戸田市秘書課)に載っている「びくに田」を紹介しましょう。
むかし、新曽村の福寿院という真言宗の小さなお寺に、自芳尼さんという心の優しい尼(女のお坊さん)が住んでいて、いつも熱心に仏様に仕え、村の家々をよく回っていたので、村人たちからも慕われていました。それで、村人たちが相談して田んぼを愛染院に一枚寄進しました。自芳尼さんはその田んぼを大切にしていたのですが、悪い人に大事な田んぼをだまし取られてしまいました。
自芳尼さんはそれを悲しんで亡くなってしまったのですが、同情した村人たちは生前の自芳尼さんによく似た石の弁天様を作って、本寺の観音寺に建て、ねんごろに供養してあげました。
その後、不思議なことにこの田んぼの持ち主になると不幸なことが続いたので、村人たちは「びくに田」と言って怖がり、近づく人がいなくなりました(びくに田のことは「わらび昔話」(蕨市秘書広報課)にも書かれています)。
最近、観音寺を訪れて自芳尼さんの弁天像を見学したところ、なんと、頭が落ちて地面に置いてありました。どの石像も雨ざらしになっているので、苔で風化し、文字が読めなくなったりします。戸田の昔を伝える自芳尼さんの像も伝説も風化してしまうのかな、と哀しい気持ちになったものです。
次は「戸田の昔話」から「梅の木稲荷のお話」です。
下笹目のさくら川にかかる野竹橋と梅の木橋の中間あたり、川を挟んで水循環センターの反対側に大きな石の鳥居が立っています。この鳥居の大きさは高さが8m、横が4.1mもあって、市内で一番大きな鳥居です。
戸田の昔話によれば、大正の初め、今から110年ほど前のこと、五郎右衛門さんという人の家の庭に突然ミカンが降ってきたり、お供え物がなくなったり、天井裏から話し声や音楽が聞こえてくるようになり、このことが新聞に出たりしました。
日本でラジオの放送が始まったのは大正14年(1925)、メールもスマホもなかった時のことです。それでも、この不思議が人々の興味を呼んで、五郎右衛門さんのお稲荷様を拝むとよいことがある、と評判になりました。
噂はうわさを呼んで、梅の木稲荷様には東北などの遠方からもお参りの人が詰めかけたということです。蕨駅からトテ馬車で、あるいは荒川を船で上って来るといった様子で、この石鳥居は、さくら川上流方向にあった社殿に向かって多分、列になった参拝客がくぐっていたものです。しかし、その繁盛は東大震災などの影響もあって段々にすたれてしまいました。
今、鳥居は民家の敷地内に庚申塔や狐の石像に対して立っています。また、さくら川は最近の大改修で川辺の桜の木が切られてすっかり明るくなり、鳥居が一段と目立つようになりました。新しく植えられる桜が育ち、きれいな花が咲くのを待ちたいと思います。
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【文責:≪戸田歴史ガイドの会≫ 山中 勇夫】
★団体ページは下記URLをご覧ください。
http://genki365.net/gnkt01/mypage/index.php?gid=G0000122
今、鳥居は民家の敷地内に庚申塔や狐の石像に対して立っています。また、さくら川は最近の大改修で川辺の桜の木が切られてすっかり明るくなり、鳥居が一段と目立つようになりました。新しく植えられる桜が育ち、きれいな花が咲くのを待ちたいと思います。
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【文責:≪戸田歴史ガイドの会≫ 山中 勇夫】
★団体ページは下記URLをご覧ください。
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その他、戸田歴史ガイドの会特集一覧
文化趣味特集No.19『御鷹場の話(前編)』(R01.07.30)
https://genki365.net/gnkt01/pub/sheet.php?id=138033
文化趣味特集No.20『御鷹場の話(後編)』(R01.08.23)
https://genki365.net/gnkt01/pub/sheet.php?id=138047
文化趣味特集No.17 『戸田市内の神社をめぐる案内 掲載3回目(前半)』(H29.07.2)
https://genki365.net/gnkt01/pub/sheet.php?id=136730
文化趣味特集No.18 『戸田市内の神社をめぐる案内 掲載4回目(後半)』(H29.08.27)
https://genki365.net/gnkt01/pub/sheet.php?id=136799
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掲載:TOMATOホームページ事務局(編集S.Y/校正M.Y)(2022/03/28)
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